堆積学会メルマガ第350号:
若手有期雇用研究者の科研費応募資格に関する緊急声明
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日本堆積学会 メールマガジン ◆2010年10月22日(350号)
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地球惑星科学連合より、「若手有期雇用研究者(いわゆるポスドク)の科研費応募資格に関する緊急声明」が発表されましたので、会員のみなさまにお知らせします。(事務局)
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若手有期雇用研究者(いわゆるポスドク)の科研費応募資格に関する緊急声明
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日本地球惑星科学連合では,現在受付中の科学研究費,とくに若手有期雇用研究員(ポスドク)の応募資格変更について会員から多くの疑問が寄せられ,それを受けて調査をいたしました.大学や研究機関によって取り扱いに差があり,若手有期雇用研究員の申請の機会均等に鑑みて問題があるのではないかとの判断に至りました.それを受けて日本地球惑星科学連合では,関係各機関にこのことに対する注意を喚起するとともに,改善をお願いするために緊急の声明を公表することに致しました.事態をご理解いただき,改善のためにご尽力いただければ幸いです.
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若手有期雇用研究者(いわゆるポスドク)の科研費応募資格に関する緊急声明
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地球惑星科学分野における若手人材育成は日本地球惑星科学連合の取り組む最重要課題の一つです。これは政府のかかげる新成長戦略における「科学技術人材育成」とも合致するもので、幅広い国民的合意を得た国家的な取り組みと理解しています。さてこの若手人材育成の重要な対象として考えるべき有期雇用研究者に対して科研費申請資格や採択後の運用に制限を課すという問題が昨今浮上しました(注1)。
博士号を有する若手有期雇用研究者(いわゆるポスドク)はすでに一人前の研究者であり、科研費など研究プロジェクトに雇用される場合でも、研究の自主性や自らの問題を深く探求するための研究時間が十分に保証されるべきです。自らの研究時間を持つことはポスドクのキャリアップのためにも極めて有効です。したがってポスドクの科研費への応募は「勤務時間やエフォートを別に設定することなく本来業務の一部として許可されるべき」であると私たちは考えます。平成23年度科研費について、「科研費被雇用者の科研費への応募資格」を様々な機関が独自基準で判断した結果、研究員の応募資格を取り消す、エフォート率に応じて給与を削減する、継続中の科研費の辞退を迫る、科研費が採択された場合にはフルタイム雇用を取り消すなどの措置を講じた機関があり、若手研究者の権利の侵害や不平等化を生じていることは甚だ遺憾です。
大学・研究機関各位、プロジェクト主催者各位、科学研究費雇用者各位におかれましては、被雇用ポスドクの科学研究費申請資格やその後の運用に対して特段のご配慮をお願いする次第です。文部科学省、日本学術振興会に対しては、上記の精神に鑑みて、科研費被雇用者の科研費への応募資格を見直すよう切に要望いたします。
平成22年10月20日
(社)日本地球惑星科学連合 会長 東京大学・大学院理学系研究科・教授 木村学
同 大学・大学院教育小委員会・委員長 東京工業大学・大学院理学系研究科・教授 高橋栄一
同 キャリア支援委員会 委員長 東京大学・地震研究所・教授 栗田 敬
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注1:
平成23年度から、科学研究費で雇用されている研究者(科研費被雇用者)が科研費に応募する場合には、科研費の業務以外に自ら行う研究のための勤務時間、エフォートが十分確保されていることを所属機関が認める必要があることが明記された。条件を満たさない場合、科研費の代表者、分担者、連携研究者になれない。
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