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堆積学会メルマガ第9号:IGCP-475 DeltaMAP


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┃\/┃ 日本堆積学会 メールニュース ◆ 2003年2月24日(第9号)
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安藤@事務局(茨城大です)
産総研の岡村行信さんと斎藤文紀さんより下記の案内が来ています.
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ポスドク研究員の募集-産業技術総合研究所海洋資源環境部門
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 産業技術総合研究所海洋資源環境部門ではポスドク研究員の募集を行っています.
研究内容
 日本周辺海域で得られた試資料(旧地質調査所,産業技術総合研究所などが取得)を基
に,
 ・第四紀後期のイベント性の堆積物の解析,堆積間隔・周期の解明
  或いは
 ・反射法音波探査プロファイルのバランス断面法に基づいた地質構造解析.
応募資格
 35歳くらいまでの,博士号取得或いは取得見込みで,上記研究内容に関連した研究経験
を持つ方
提出書類
 ・履歴書
 ・これまでの研究
 ・実務歴および業績リスト
 ・これまでの代表的な成果を示す文書(論文別刷等)
 ・募集研究テーマについての抱負(A4,1枚)
締め切り
 2003年3月20日(なるべく早めに提出して下さい)
書類提出先
 〒305-8567 茨城県つくば市東1-1-1
 産業技術総合研究所 海洋資源環境研究部門
 海洋地質研究グループ 岡村行信
 (封筒の表に 「職員募集」 の旨、朱書してください.)
問い合わせ先 email: okamura-y@aist.go.jp
※詳しくはhttp://unit.aist.go.jp/mre/l_jp/ad/w030219.htmlをご覧下さい.
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アジア地層形成研究を目指して-
IGCP-475 DeltaMAP、デルタプロジェクト始まる
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 アジア太平洋地域におけるデルタを対象とした新しいIGCPプロジェクトが今年から開始
されます.同プロジェクトは,米国ニューヨーク州立大学の Steven Goodbred 氏と筆者
によって提案されたプロジェクトで,正式名称は,Deltas in the Monsoon Asia-Pacific
region (DeltaMAP): Late Quaternary Development and Recent Changes Due to Natural
and Human Influences,過去約5万年間を対象として,デルタの変遷,堆積作用,気候変
動への応答,人間活動の影響などの解明を主目的にしています.2003年から2007年までの
5 ケ年間のプロジェクトで,第1回の年会は,2004年1月14-16日にタイで行われる第
5回アジア海洋地質会議の直後に同じくタイで行われることが決まっています.
 アジアには世界で最も多くの大規模デルタが存在します.これらの大河川とオセアニア
を含めた島嶼の河川とを合わせると,同地域の堆積物の輸送量は世界の陸から海に供給さ
れる土砂量の約7-8割に達します.つまり地球上における現在の堆積中心はアジア・オセ
アニアにあり,地球規模の物質循環において最も重要な地域といえます.アジアに巨大な
デルタが多数分布しているのは,ヒマラヤ・チベット高原域を源流に持つテクトニックに
規制された大河川があり,これらの地域は地形が急峻で土砂生産量が大きいこととモン
スーン気候の影響で降水量が多いことにより大量の土砂をこれらの大河川が運搬している
こと,さらに過去約6千年間ハイドロアイソスタシーの結果,海水準が安定からやや低下
していることが理由としてあげられます.デルタの研究ではミシシッピ川やナイル川が有
名ですが,ミシシッピデルタは沿岸海域が低エネルギーの特殊な環境であり,ナイルデル
タは海成層がデルタの周縁部にしか分布しなく,両デルタとも完新世の海水準変動が今も
上昇していることを考えると,これらのデルタよりもアジアのデルタの方が一般的なデル
タ研究には向いているといえます.
 またシーケンス層序学においても,アジアでは高海水準期の安定期が数千年間続いてお
り,高海水準期のデルタの研究に対して海水準変動との関係からも基礎的かつ重要な知識
を提供してくれます.一方,島嶼の急流河川によって形成されたデルタと狭い陸棚は,低
海水準期の陸棚縁のデルタに最も近い現在の堆積環境といえることから,低海水準期の環
境解析に基礎的な情報をも与えてくれます.
 ところで1996年から米国を中心として地層形成研究(STRATAFORM project) が行わ
れ,現在の堆積作用や地層形成研究を過去の地層につなぐ研究が行われています.この研
究計画は,現在ヨーロッパに波及しEuroSTRATAFORMとしてEUと米国の共同研究計画として
実施されています.これらの地層形成研究は,アジアにおいても実施されることが現在企
画検討されており,DeltaMAP プロジェクトを核として,計画や組織体制が討議される予
定です.
 DeltaMAPプロジェクトが対象としている地域はアジア太平洋地域ですが,同プロジェク
トには,米国のChuck Nittrouer, James Syvitski,Steve Kuehl, Allen Archer,フラ
ンスのSerge Berne,オランダのGeorge Postma,イギリスのJim Best,オーストラリアの
Colin Woodroffeなど,現在世界の最先端で活発に活躍している研究者が参加していま
す.プロジェクトの連絡は,基本的にはメールで行われます.登録されれば,関連情報を
お流し致しますので,ご希望の方は,産業技術総合研究所 斎藤まで,メールで連絡して
下さい.皆さんの参加を歓迎致します. 
  産業技術総合研究所海洋資源環境研究部門 斎藤文紀
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