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堆積学会メルマガ823号:
  学術調査船「白鳳丸」存続要望書の提出について



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日本堆積学会 メールマガジン ◆2018年8月6日(823号)
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日本堆積学会会員のみなさま,

  日本堆積学会会員にも関連の深い学術研究船「白鳳丸」が老朽化しており,
更新の時期が近づいている状況になっているようですが,JAMSTECにおいて
廃船の議論が持ち上がっているとのことです.関連する各学協会では要望書
をまとめており,日本堆積学会においても要望書のとりまとめの依頼が会員
よりありました.
  昨今の交付金予算減に伴ってJAMSTECの船を用いた公募航海はほとんど日数
がとれず,定期的に行わねばならない海底設置機器に関する航海などに限定
されてきているのが現状です.そして現在,研究者サイドの提案に基づく航海
はほぼ学術研究船「白鳳丸」と「新青丸」でのみ可能であり,「白鳳丸」を
失うことは研究者の提案に基づく研究の推進にとって大きくマイナスになる
だけでなく,外航航海ができなくなる可能性もあり,研究の国際化,国際協力
の面からもマイナスが生じかねません.
  運営委員会にて議論の結果,日本堆積学会としても関連する研究者への影響
が大きいと考え,以下のような存続の要望書を提出致しましたのでで会員の
皆様にもお知らせいたします.

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 日本堆積学会は、堆積学およびこれに関連のある学問分野の進歩と普及を
  計ることを目的とする学会です。
 学術研究船白鳳丸は1967年に、我が国の海洋科学を牽引する研究船として
  建造され、1989年に代船がなされましたが、2004年に国立大学の法人化に
  伴って、海洋研究開発機構へ移管されました。移管後も、我が国唯一の世界
  の外洋域に航行可能な海洋コミュニティーの共同利用研究船として、我が国
  および世界の海洋科学を牽引するフラッグシップであったことは、疑う余地
  がありません。
 白鳳丸は、建造当初から海洋地質・地球物理に限らず、多くの分野で様々な
  研究を実施し、日本の海洋科学の基底を支えてきました。特に研究者サイド
  の提案に基づく航海を通じてのボトムアップの研究の実施とその成果の積み
  上げは白鳳丸なくして達成されてこなかったと言えます。予算の不足や油価
  高騰により、共同利用に充てられる航海日数は、移管当時の年間約300日から
  175日と減少していますが、堆積学関連だけで見ても、海底堆積物やこれを
  用いた古環境研究、海底の構造調査、海底堆積盆の発達史等の研究において、
  たくさんの成果を挙げてきました。また、IODPの掘削提案に関係した調査
  など、日本発の掘削提案の実現のために貢献してきました。また、白鳳丸は
  30名を越す研究者が乗船できる唯一の船であり、学生・若手研究者の育成の場
  としての貢献も大きく、大学のみならず、国立研究開発法人等の研究機関の
  研究者も白鳳丸で経験を積んできました。
 本年度は、海洋研究開発機構の中期計画・中期目標の最終年度にあたり、
  新たな計画、目標を策定中とお察しいたします。活動的縁辺域に属し、地震・
  津波、洪水等の自然災害が多発する日本において、海域から陸域までを統合
  した地球の理解とその理解の普及が重要であるのは間違いありません。また、
  新たなエネルギー・鉱物資源も海域に求められています。安全・安心で持続
  可能な社会を維持していくには、海域の統合的な調査研究が重要で、外洋域
  で多分野にまたがる観測・研究ができる共同利用船を用いた研究の牽引がこれ
  まで以上に必要とされています。さらに、これからの新しい科学を創造・推進
  し、今後の日本の大学・研究機関等を支える人材育成には、多分野横断の共同
  利用船は特に重要であると考えます。白鳳丸は建造から29年が経過し老齢化
  しておりますが、海洋コミュニティーからのボトムアップ研究を推進すると
  いう共同利用船の役割を改めてご理解頂き、是非、その存続、代船に向けて
  ご配慮いただけますよう、日本堆積学会としてお願い申し上げます。


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〒814-0180 福岡県福岡市城南区七隈8-19-1
福岡大学理学部地球圏科学科地球科学分野(石原与四郎)内
メールアドレス: 
ホームページURL: http://sediment.jp/

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