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堆積学会メルマガ800号:
  堆積学会功労賞受賞者のお知らせ



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日本堆積学会 メールマガジン ◆2018年4月2日(800号)
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日本堆積学会会員のみなさま,

 松本大会の総会(2017年3月)で決定し,その後メールマガジン等で
お知らせしました通り,日本堆積学会では学会設立15周年を記念して
日本堆積学会功労賞を設立し,堆積学の発展や本会の運営において多大
な貢献を行った方を表彰することにいたしました.
 会員の皆様に受賞者をご推薦いただき,運営委員会で審議・投票を
行った結果,以下の11名の皆様が受賞者として選ばれました.
おめでとうございます.

青柳宏一,井本伸広,岡田博有,小川勇二郎,君波和雄,志岐常正,平朝彦,
立石雅昭,牧野泰彦,水谷伸治郎,水野篤行(敬称略,あいうえお順)

推薦文および推薦者

青柳宏一氏
 青柳さんは 1959 年に北海道大学理学部地質学鉱物学科を卒業,同年
石油資源開発株式会社に入社,探鉱部,技術研究所で石油探査や関連する
研究開発に従事され,2000年に(株)地球科学総合研究所の役員を最後に
現役を退いています.この間,カナダ・ダルハウジー大学などで客員講師,
国内では東大,秋田大などで堆積学,石油地質学の集中講義をするなど
教育研究活動にも熱心でした.青柳さんは日本堆積学会の前身である堆積
学連絡会の設立メンバーとして日本の堆積学コミュニーティーの発展に
重要な貢献をしています.同連絡会は1968年 9 月に旧東京教育大学の渡部
影隆先生を代表として発足しましたが発足に至るまでの努力をされた4名の
幹事の一人が青柳さんでした.会の名前が変わり発展を続ける中,最近まで
総括論文を投稿するなど,日本の堆積学コミュニーティーの発展に貢献して
こられ,功労賞に相応しいと考え推薦します.
(柳本 裕・松本 良)

井本伸広氏
井本伸広氏は層状チャートの堆積岩岩石学的研究や泥岩の微細構造また,
それらの堆積環境に関する研究を長く続けてこられ,これらを胚胎する地質
に関して堆積地質学的観点から貢献された.堆積研究の普及と組織化にも
務められ,本団体の前身である堆積学研究会においても重要な役割を担った.
(武藤鉄司)

岡田博有氏
日本堆積学界の草創期から日本の堆積学と学会組織の確立に中心的な役割を
果たされた.学術においても,砂岩の分類を世界に先駆けて提唱するなど
(1971 Journal of Geology),堆積岩岩石学の発展に多大な貢献をされた.
DSDP にもco-chief scientist (1977 Leg 56) として参画されるなど,海洋底
地球科学の発展にも関わられた.外国人研究者との間で広範な人脈を築き,
その人脈のおかげで数多くの著名な外国人研究者が訪日した.これによって
数多くの若手研究者が学問的な刺激を受けた.
※岡田先生は平成29年12月には授賞が決定していましたが,残念ながらこの
お知らせ前にご逝去されました.
(武藤鉄司)

小川勇二郎氏
小川勇二郎氏は,分野にとらわれない独自の視点から数多くの若手堆積学
研究者に影響を与え,国内学術水準の向上に貢献された.ODPにもco-chief
 (1994 Leg 156)として参画され,海洋底地球科学の発展に関わられた.
(武藤鉄司)

君波和雄氏
君波和雄氏は根室層群・牟婁層群等の堆積学的な研究やこれら砕屑岩類の組成
や起源に関する研究を通じ,本邦の堆積地質学と堆積盆の発達過程に関する
研究発展をもたらした.
(石原与四郎)

志岐常正氏
志岐常正会員は,日本堆積学界の草創期から日本の堆積学と学会組織の確立に
中心的な役割を果たされた.学術においても,舞鶴帯の砂岩の研究,イベント
堆積物の研究,津波堆積物の研究など,砕屑性堆積学の広範な分野において,
発展に寄与された.
(武藤鉄司)

立石雅昭氏
立石雅昭氏は堆積学研究会の元代表を務め,日本堆積学会に学会化する直前の
会隆盛に貢献された.学術分野では,おもにタービダイトの研究を通じて,
日本における堆積岩岩石学と堆積システムの接点,および日本海沿岸新第三系
層序と堆積学の接点を深めた点において貢献が大きい.また近年では社会問題
と堆積学の接点を探る活動に取り組んでいる.以上の理由から,立石雅昭氏を
日本堆積学会功労賞に推薦する.
(高野 修)

平 朝彦氏
平朝彦氏は付加体堆積学から日本列島形成テクトニクス解明への発展をもたらし,
国際深海掘削計画の主導役を担うことで,活動的縁辺における代表的な堆積学・
テクトニクス・古海洋学研究者として世界に名をとどろかす存在となっている.
日本堆積学界の進展にも多大な影響をもたらしたことから,日本堆積学会功労賞
に推薦する.
(高野 修)

牧野泰彦氏
牧野泰彦氏は日本堆積学会初代会長として,学会の設立とその後の学会における
研究活動や普及活動の発展と方向付けに大きく貢献された.また,現世の河川堆積物
の研究をとおして,様々な新しい知見を学会等で公表され,我が国の堆積学研究の
発展に大きく貢献された.さらに,教育学部での学生指導をとおして,堆積学研究
を経験した学生を小中学校の教壇へ多数送り出すとともに,日本地学教育学会会長
として,初等中等教育での堆積学の普及にも大きな貢献をなされた.
したがいまして,牧野泰彦氏を日本堆積学会功労賞の受賞候補者として推薦致します.
(伊藤 慎)

水谷伸治郎氏
水谷伸次郎会員は,互層堆積系の数理堆積学に関して先駆的な研究を進められたほか,
堆積学の普及・教育に関して日本の堆積岩岩石学に関する代表的な教科書をまとめられた.
(武藤鉄司)

水野篤行氏
水野篤行氏は,日本堆積学界の草創期から堆積研究の普及と組織化に務められると
ともに,本団体の前身である堆積学研究会の代表も務められた.
(高野 修)

 以上の皆様につきましては,賞状と副賞をお送り致しました.

選考委員長 高野 修


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日本堆積学会 事務局
〒814-0180 福岡県福岡市城南区七隈8-19-1
福岡大学理学部地球圏科学科地球科学分野(石原与四郎)内
メールアドレス: 
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